先日、ラブグラフ5周年パーティーの場で、今年もLovegraphers AWARDが開催されました。
今年度のBest Lovegrapher賞(年間で最も輝かしい活躍をしたカメラマンに送られる賞)を受賞されたのは、平日は会社員として働き、休日にカメラマンとして活動している石川善一郎さん。
彼がBest Lovegrapherになるまでの道のりについて、お話を伺いました。
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■ 「直感に誘われた」ラブグラフとの出会い
——改めて、Best Lovegrapher賞の受賞おめでとうございます。石川さんとラブグラフの出会いについて教えてください!
石川さん:カメラを買ったのは今から3年前ほどです。当時の恋人の影響でカメラを始めたのですが、その後程なくしてその恋人とお別れしてしまい、また大学院の研究も大詰めで、カメラからは離れていました。
そんな中、何気なくSNSを見ていたところに流れてきたのが「
Lovegraphアカデミー」という写真教室だったんです。
正直、カメラに対しては苦手意識があったのですが、その時は直感に誘われるままに、Lovegraphアカデミーに参加しました。
カメラの基礎を教わったおかげで、一度離れたカメラに夢中になっていきました。当時の僕には研究しかなかったからこそ、それに没頭することで、沈んだ気分を紛らわすことができたのかもしれません。ある種の居場所だったのでしょうね。
おかげさまで研究はどんどん後回しになって、教授にひどく叱られた記憶があります……。
▶︎ Lovegraphアカデミーについては
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——波乱からの出会いだったんですね……。そこから、どうしてラブグラフのカメラマンになりたいと思ったのでしょうか?
石川さん:Lovegraphアカデミーでもお世話になったカメラマンさんにお会いする機会があったのですが、そこで自分の写真を厳しく指摘されたのがきっかけです。
自分の中では上手く撮れているつもりだったのですが、プロとの差を痛感しましたね。
機材や編集の知識なんてこれっぽっちもない状態で、「自分って写真上手いかも?」と思っていたので、まさに「井の中の蛙大海を知らず」でした。
それからは撮影の記録をつけたり、ラブグラフのカメラマンさんの写真を見て自分とのギャップを見つけてはそれを改善したりと、とにかく必死に写真と向き合う日々でした。
いつしかそれは、「彼らのようになりたい」という願いになっていたのかもしれません。
「自分の知っている世界は狭い」という悔しさと向き合いながら、その願いが実る形で、数ヶ月後にカメラマンとして採用されました。
■ 「友だちのように寄り添う」ゲストとの向き合い方
——ラブグラフのカメラマンをやっていてよかったと思うのはどんな場面でしょうか?
石川さん:一番はゲストさん(ラブグラフでは、お客さまのことを「ゲスト」と呼びます)とのつながりですね。同じゲストさんが何度も僕に依頼をしてくださることが多くて、社内のカメラマンでも、ありがたいことにリピート率は現在1位です。
ゲストさんの結婚式にもよく呼ばれることがありますが、カメラマンとしてではなく、友人枠として呼んでいただくことが多いです。
そういう「友だち」のような関係性として彼らの人生に寄り添っていけるのは、本当にカメラマン冥利に尽きることだと思っています。
——居場所としてのラブグラフに魅力を感じたとおっしゃっていましたが、そちらに関してはいかがでしょう?
石川さん:そうですね、同じ志をもって切磋琢磨する仲間がいるのは大きいです。
今でも様々なコミュニティーに属していますが、その中でもラブグラフは特別です。組織としてはビジョンやミッションに共感して集まってくるけれど、バックグラウンドはみんな違うし、その違いが面白いんです。
将来や人生観を語り合って、互いに尊敬できる関係性って有難いものだなと思っていて、社会人になって、時には大真面目に、時には少年のように話せる関係ってないじゃないですか。
いつでもそういった向上心や、初心を忘れずにいさせてくれることは、ラブグラフならではですね。
■ 「ラブグラフを超えていく」1人の写真家の再出発
——Best Lovegrapherになった今の心境はいかがですか?
石川さん:包み隠さず言えば、過去の受賞者が偉大な方ばかりで、正直プレッシャーは大きいです。
ですが、受賞した後、実は初めて撮影をしたゲストさんからお祝いの連絡がきたんです。
最近では「作品のように作り込む」依頼が多く、写真の完成度に執着していたのですが、そのゲストさんからのメッセージを読んで初心を思い出しましたね。
石川さん:今は自分の写真を見て申し込んでくれるので、ゲストさんからの「すごい人に撮られている」という雰囲気は感じ取っていましたし、彼らの気持ちにもたれかかっていたのも事実です。
この賞をいただいた今だからこそ、初心に立ち返り、これからもゲストの幸せをカタチに残していきたいと思っています。
(上)SNS上で大きな反響を呼んだ石川さんの代表作
——これから石川さんが目指していく目標はなんでしょうか?
石川さん:受賞した日、「これからは会社の顔だから」と社長に告げられました。
会社のプロダクトを見て、そこに集まる人に憧れてカメラマンになり、ここまでなんとか歩んできました。
これまで僕が追いかけていた先輩方は、ラブグラフという枠組みを超えて、各方面で活躍されています。
対して僕はというと、未だに「ラブグラフの石川善一郎」だと思われています。
3年前、井の中の蛙だった時の初心を忘れず、これから1人の写真家として、その背中で後輩のカメラマンや組織全体を引っ張っていくことができれば、会社としてもっと成長できると思っています。
僕らは「Lovegrapher」である前に、「Photographer」でもあります。
だからこそ、1人のパブリックな存在として、ラブグラフと社会の双方に、何かを語らずとも、影響力を与えられる写真家を目指したいです。
——石川さん、この度はありがとうございました!
——今回は2019年度のBest Lovegrapher賞を受賞された石川善一郎さんを取材し、彼の写真に対する向き合い方やラブグラフに対する思いについてお伺いしました。
こういった形で、ラブグラフのカメラマンはそれぞれが強い思いを持ちながら、日々幸せな瞬間をカタチに残しています。
また、石川さんがカメラマンを目指すきっかけとなったLovegraphアカデミーでは、現在オンライン授業を展開しています。
これまでは参加できなかった地方にお住まいの方々でも、場所を選ばずに写真の基礎から応用まで学べる講座となっております。
ラブグラフのカメラマンに興味はあるけれど、実力や知識に不安があるという方、カメラをなんとなく扱っていて基礎を学んでいなかったという方は、ぜひこの機会に受講されてみてはいかがでしょうか?