卒業式で着る袴の歴史
日本人が袴を着るようになったのは、古墳時代ともいわれているほど歴史が長く、奈良時代や平安時代からは貴族が着る上流階級の衣装としても使われるようになります。
明治時代になると新たな文化が始まり礼装として使う風習はなくなりましたが、その代わりに女子学生の制服として着られるようになりました。もともとは上流階級の学校で採用されていた制服でしたが、次第に一般階級にも普及していきます。
時代の流れとともに西洋文化が流入したことで、袴を日常生活で着る人は減ってしまいましたが、華やかで学生らしい活動的なイメージのある袴は、学生にとっての晴れの日である卒業式で着る礼装として、現在まで残っています。
袴のコーディネート
袴が女子学生の制服だった頃、彼女たちは靴や裾の長さをかえたりしながらコーディネートを楽しんでいました。
髪の毛のアレンジにもリボンなどを使って浪漫の雰囲気を演出するなど、おしゃれ感度が高い女子学生によってさまざまな流行が作られてきたのです。
卒業式の袴に合う髪型
浴衣などの和装とはまた違うコンセプトの袴ですが、どんな髪型を合わせたらいいのか、いくつか例をご紹介します。
袴に合うハーフアップ
ハーフアップは、袴のコーディネートとしてもっともスタンダードであるといえます。明治時代の女子学生が大きなリボンをつけたハーフアップをしてたことから、浪漫風で知的な印象を受ける髪型です。
袴に合うボブ
流行り始めてからもう何年もずっと、高い支持率を保ち続けている髪型です。丸みを帯びたシルエットが可愛らしいボブですが、大人がやると色気もでる髪型です。学生と社会人のちょうど狭間である卒業式におすすめの髪型です。
ボブは西洋ではあまり見ない日本らしい髪型の一つなので、ヨーロッパ風のドレスではなく袴を着る卒業式だからこそ、合わせたいスタイルの一つでもあります。
袴に合うベリーショート
いわゆるロング丈の袴とベリーショートのヘアスタイルの相性は抜群です。袴を着ているときは、バランスでいうと下半身に重みのあるコーディネートなので、ベリーショートヘアでスッキリとまとめることで小顔効果も見込めます。
卒業式の袴に合うヘアアレンジ
もちろん袴は卒業式以外でも着ることができる伝統衣装なので、袴を礼装として着る卒業式では、ヘアアレンジも晴れの日に合わせたアレンジを施したいですよね。ここでは袴に合うヘアアレンジをご紹介します。
リボンを使う
少女漫画などでもよく描かれる袴とリボンの組み合わせは、袴スタイルの王道といえます。リボンの色によってもイメージが大きく異なるので、リボンでは甘すぎるという印象を持っている方でも、色を工夫することで以外としっくりくることもあります。
リボンの太さもさまざまです。太ければ愛らしい印象が強くなりますし、細いと可憐な印象へとイメージをコントロールすることができます。
花を添える
花の髪飾りを添えると、一気に華やかな印象になります。花言葉や誕生花から花の種類を選ぶといった趣のある楽み方ができるのも、花の髪飾りの特徴です。
洋装にも使えるデザインであることが多いので、一度買っておけばまた別の機会に使うことも可能です。
編み込みをする
下に向かってボリュームが広がる袴には、やっぱりスッキリとまとめたヘアスタイルが似合います。編み込みで頭の形に沿った輪郭を作り出すことで、清楚にまとまった印象を演出することができます。
簡単な袴スタイル用ヘアアレンジ
卒業式にふさわしいきちんと感を作りつつ、自分や友達同士でもアレンジが可能な、簡単ヘアアレンジの方法をご紹介します。
くるりんぱ
輪っかのついたスティックで、髪の毛を引っ張り出してヘアアレンジを作る方法です。上級者のような仕上がりになるのにやり方はとても簡単で、輪っかの中に髪の束を通して引くだけなので、誰にでも挑戦しやすいのがメリットです。
編み込み風ツイスト
編み込みができなくても、ツイストをするだけで編み込みのような仕上がりのヘアスタイルを作ることができます。毛束の調節もしやすいので、不器用さんにもおすすめのアレンジ方法です。
フィッシュボーン
三つ編みだと特別感が出ないという方には、フィッシュボーンがおすすめです。三つ編みに比べて編み目を細かくすることができ、全体的には太く平べったい形になります。2本の毛束から交互に髪の毛を入れ替えていくだけなので、見た目以上に簡単にできちゃいます。
袴コーデを楽しもう
学生が卒業式で袴を着る姿は、街をゆく人々が季節に思いを馳せる風物詩でもあります。学生の皆さんは、ぜひ自分のスタイルで袴ファッションを楽しんでくださいね。