「今を写真に残すことは素晴らしい」Best Polish賞受賞 中西佑子 インタビュー

2020.07.02更新

年間で輝かしい活躍・貢献をされたカメラマンを表彰する「Lovegraphers AWARD」において、Best Polish賞を受賞された中西佑子(クウガ)さん。彼女がラブグラフで写真を撮り続けるワケについて、お話を伺いました。

「今を写真に残すことは素晴らしい」Best Polish賞受賞 中西佑子 インタビュー
年間で優れた功績を収めたカメラマンを称え、表彰するLovegraphers AWARD。
本記事では、Lovegraphers AWARD2019においてBest Polish賞(※敬意と誠意を持って率直に意見を伝え、切磋琢磨していく力を称えた賞のこと)を受賞された中西佑子(クウガ)さんをご紹介します。
三児の母という一面を持ちながらも、カメラマンとして最前線で活躍し、ゲストに幸せを届け続けるクウガさんがどんなことを考えながら撮影に臨んでいるのかということについて、お話を伺いました。

※ラブグラフでは、カメラマンのことをLovegrapher(ラブグラファー)と呼びます。

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■ 「こんな素敵なことは他になかった」〜ラブグラフと出会うまで

——Best Polish賞の受賞おめでとうございます。クウガさんがカメラを始めたきっかけについて教えてください!

クウガさん:ありがとうございます。小学生の頃から、周囲の環境のおかげもあり、Photoshopを用いてコンデジで撮影したお花の色相を変えるなど、遊びながら技術を身につけるようなちょっと特殊な経験をすることが多かったですね。また、中学生のときは美術部にいたりと、元々何かを作ったり、芸術に対する関心は高かったのだと思います。

そういったバックグラウンドから、わたしが結婚したタイミングでカメラを始めました。
その際のウェディングフォトも自分たちで撮っていたんです。当時は技術もなかったので、仕上がりはなんとも言えませんが、今もお気に入りの写真ですね。

自分たちで撮影したセルフウェディングフォト
——はじめからラブグラフで扱うような写真を撮っていたんですね!

クウガさん:そうなんです。SNSに作品を掲載していく中、代表のこまげさんにわたしを知っていただいたそうです。その後、彼の作成したTwitter上の「ラブグラファーになってほしい人リスト」に追加されたことがきっかけで、ラブグラフのことを知りました。

——ラブグラファーになる決め手はなんだったんですか?

クウガさん:カメラにどっぷり浸かるようになったのが、ちょうど同世代の友人が結婚したり、自分の子どもが生まれたりするタイミングでした。当時自分たちだけで写真を撮ったからこそ、その難しさを身をもって感じていたとともに、友人の幸せな瞬間を残せること、何より自分の好きな写真で残せることがうれしかったんですよね。
こんな素敵なことは他にないなと思ったことが決め手でした。
カメラマンとしてデビューした当初のラブグラフ

■ 「経年熟成していく写真を残したい」〜価値を増していくラブグラフの写真

——実際にラブグラフで撮影をしている中で工夫していることはなんですか?

クウガさん:一番はコミュニケーションですね。もちろんいい写真を撮ることが大切ですが、ではどうしたらそのいい写真が撮れるかを考えることが重要だと思っています。
以前アパレルショップの店員をしていたことがあり、お客さまの一番求めている商品は何か、何が似合うのか、どうすれば相手の懐に踏み込めるか、といったことを日々研究していました。
それが今のコミュニケーションにも活きていると感じますね。

——ゲストの意思を引き出すことがいい写真を撮ることにつながるんですね!

クウガさん:ゲストからすれば、撮影中に出てくる不安や、他に考えることがあると、集中を削がれてしまうんですよね。それってすごいもったいないことだなと思っています。
例えば、1人目のお子さまの撮影となったら、親御さんは初めてのことだらけで手一杯です。
わたしも3人の子どもがいるので、その気持ちが痛いほどわかります。
だからこそ、撮影場所におむつを替えられるトイレがあるか?機嫌が悪くなった時にどうするか?など、ゲストが心置きなく撮影に望める環境づくりを大切にしています。

——そうしたラブグラファーの活動の中で、一番うれしい時はどんな時ですか?

クウガさん:リピートで撮影依頼をくださることがうれしいですね。撮影を通してそのゲストと親しくなって、SNSでつながったりもしますが、そこでわたしが撮影したお子さまの成長を見届けられるのも感慨深いです。
わたしたちは写真を通して幸せを届けているけれど、それは一方的なものではなくて、ゲストからも幸せをいただいているんです。成長や愛の歴史そのものを一緒に見届けられるという形でのやりがいは、なかなか他では得られません。
もちろん写真を見て喜んでくださることはとてもうれしいですし、やりがいを感じます。
けれども、「今このうつろいゆく人生の、ゲスト自身の今この瞬間を写真に残すことは素晴らしい」ということが伝わるのもまた、やりがいのひとつです。
時折ゲストからのメッセージとしてそのようなお言葉を頂くのですが、それはそれはうれしく思います。
時を経るほどに価値を増していくのがラブグラフの写真たちだと思っていて、経年劣化の逆の「経年熟成」していく写真を撮っていきたいものですね。
——他にラブグラファーになったことで得られたものはありますか?

クウガさん:ラブグラファー同士の技術や意見共有の場が多いことですね。日々「どうしたらもっと向上できるか?」と考えていて、そこから発展し「そもそも幸せであるとはどういうことか?何をもって幸せなのか?どうすれば幸せだと感じるのか?」というような、ラブグラフに集まった人たちだからこそできるような議論もあります。
その上で、写真で何ができるかというような、根本的なマインドの部分について意見交換ができる場があることはありがたいですね。

——面白いですね!交流の中で新しく根付いた価値観もあるのでしょうか?

クウガさん:もちろんあります。例えば、ゲストが求めている写真って、よくよくヒアリングしてみたら、実はここにこだわりたいとか、こんな雰囲気の写真がいいとか、ゲストご自身すら気づいていないニーズがあったりするんですよね。
それを引き出すには、コミュニケーションはもちろん、ラブグラフがどれだけのことを知っているか、経験があるか、ということが重要だと思っています。なぜなら、わたしたちもゲストも知らないようなことには、どう頑張ってもたどり着けないんですね。
だからこそ、他のカメラマンの視点や知識を出し惜しみなく共有し合えたことで、写真の要素を言語化する力や、それをゲストのニーズにまで落とし込むことができるようになったことは、ラブグラフのカメラマンになってからより身についたなと思います。
九州地方のラブグラファーたちの集合写真

■ 「わたしにとって写真とは——」〜ラブグラフで写真を撮る理由

——今回の賞を受けて、どのようにお考えですか?

クウガさん:ラブグラフと自分の理念の向かう先が同じ方向を向いていたので、それらがより高次に向かうといいなと思っています。わたしができることは、多方面からインプットをし、それをアウトプットして検証する、その繰り返しです。
よりよい写真がクリエイト出来るようにはどうすればいいのかをを日々考えています。写真を撮るという行為がなぜ人を幸せにするのか、カメラマンは考えなければならないと思っています。
そういう変化を恐れず、新しいことに挑戦するような姿勢を今回は評価されたのかもしれませんね。
それもこれも、ゲストのみなさんがわたしを選んでくれて「こういうのが撮りたい!」と言ってくださる、その出会いのおかげで、新しいチャレンジに取り組めているのだなと思います。
今まで出会ったゲストのみなさまには本当に感謝しきれません。

——その上で、これから成し遂げていきたいことはありますか?

クウガさん:やりたいことはたくさんありますが、何よりひとりのカメラマンとして、最前線で写真を撮り続けたいです。自分は目の前のゲストと向かい合って、一緒にそのゲストのためだけの写真をクリエイトしていくことがすごく楽しいので。
その中で、新しい文化や撮影ジャンルの先駆けとなるようなものを生み出していけたらいいですね。

——原動力は写真を撮る行為そのものなんですね。クウガさんにとって写真はどんなものなんでしょうか?

クウガさん:深い問いですね……ラブグラフの写真でいうと、カップルや家族の写真を撮るということにおいては、その人たちがどのように生きてきたかという生き様や歴史の中の一部分を、撮るときのタイミングで切り取っていくこと、です。
それに加えて、私という撮影者がいることで、他者からの視点も付与されます。その2点の視点が組み合わさった芸術だと思っています。
その撮影を依頼されるタイミングというのは、生きていく中で「愛」を強く認識するようなタイミングであると思っています。
カップルであれば、なんらかの記念だったり、結婚するタイミングであれば、ふたりで人生を共にしていくと決定したふたりの意思からなるもの、子どもが産まれた家族であれば、ふたりの愛から誕生した愛する宝物を撮影するタイミングです。
そういう恋をしたり、結び付き、紡がれていく物語を強く認識するタイミングで、依頼してくださっています。「写真」として残すことによってそのときの想いを残せるのだと思います。私自身も、結婚して子を持ち、その恋や愛というものが素晴らしいものである、そしてそのときの写真が残っているということで、そのときの気持ちを思い出し、回顧することができた経験があります。故に、それが尊いものであるから、残したいと考えるもの、それが「写真」です。
ラブグラフでは一緒に働いてくれるカメラマンを全国で募集しています。
「写真を通して人を幸せにしたい」という想いはあるけれど、自信がない…という方でも大丈夫です。
あなたがカメラマンとしてデビューできるように全力でサポートさせていただきます。

また、応募したいけれど、まだ技術に自信がない……という方は、多くのラブグラフのカメラマンを輩出する写真教室「Lovegraphアカデミー」を受講して、技術に自信をつけてみてはいかがでしょうか?

みなさまのご応募、お待ちしております。