写真は未来への贈り物。“幸せ”という感情をLovegraphが写真に残す理由。

2017.12.05更新

Lovegraphジャーナル公開を記念して、Lovegraphの歴史について綴りました。

写真は未来への贈り物。“幸せ”という感情をLovegraphが写真に残す理由。
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こんにちは。Lovegraph代表の駒下です。

学生時代に趣味の延長線上として始めたカップル撮影。「カップルの写真を撮ろうと思ってるんだけど」と言ったとき、周囲には全く理解されませんでした。当時はリア充爆発なんて言葉が世の中に蔓延っていた時期だったのでそう思われたのも仕方ないと今は思います。

そんな中でも少しずつカップルを撮ることに対する認知も広がってきて、今では日本全国に250名の想いに共感したカメラマンたちが日々「愛」をテーマに写真を撮り続けてくれています。


作りたい世界はもっと遠いところにあるのですが今日はLovegraphジャーナルのオープン日ということで、これまでの僕たちの活動と何故今オウンドメディアを立ち上げることにしたのかについて、ここに綴らせていただきます。

■カメラというアイデンティティと出会うまで


僕がカメラと出会ったのは大学1年生の頃。高校時代までは特にこれといった趣味や特技はなく、ただ毎日をなんとなく過ごす普通の高校生でした。

関西大学の付属校に通っていたので高校3年の頃には「大学に入ったら、良いサークルに入って、素敵な仲間とたくさん思い出を作って、卒業後はいい会社で働けたらいいな」なんてぼんやり思っていました。ただ実際に入学してみていろんなサークルに所属してみたのですが「このまま大学生活をゆるっと4年間過ごしていくのかな」と不安に思うようになりました。

そんなことを考えていた頃に入学した時から仲の良かった友人から、ミスコンを運営する学生団体に誘われました。何かこれがしたい!といって参加したわけではないのですが、そこで出会ったカメラ好きな先輩に勧められたので、バイトでお金を貯めて一眼レフを購入しました。

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#カメラを買ってすぐの頃の写真

カメラを買ってからの人生は本当に楽しいものでした。大学の友人を撮ってプレゼントしたりしてカメラを楽しんでいました。友人からもカメラと言ったら駒下と言ってもらえるようになり、他の大学の人からも関大のカメラマンとして認知していただくようになりました。今まで趣味や特技の無かった僕にとってカメラはやっとできたアイデンティティでした。

もっと腕を磨きたいと思った僕は当時関西で有名だった「美学生図鑑」というスナップサイトを運営する会社に応募しカメラマンとして働くことにしました。後に会社を共同創業することになる村田と宮村ともここで出会うことになります。

そこでカメラの腕を磨きながら、ミスコンの活動の方では自分が主体となって候補者を撮影しながら学生団体の運営に打ち込んでいました。今思い返してもそういった何かに打ち込む毎日は本当に楽しく、言葉通り無我夢中で写真を撮っていたように思います。

そんな日々を続けて迎えたミス関大を決める最終のイベント当日。各候補者がこの日のために練習してきたパフォーマンスを観客の前で披露し、スタッフも会場を駆け回りながら無事イベントは成功を収めることができました。

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#メインカメラマンを担当した頃のミスコンのファイナルイベント

イベントが終わった後の打ち上げでは達成感から涙を流す同級生も多かったのですが、僕だけ何故か涙を流せませんでした。

一年間打ち込んできたイベントが終わった後なのに何故泣けなかったのかを考えたのですが、理由は「自分のために頑張っていた」ということでした。

カメラを始めた当初は友達を撮って写真をプレゼントして喜んでもらったりすることが純粋に嬉しかったのに、いつの間にか写真の上手さにばかりこだわるようになってしまい、もっとSNSに写真をあげて評価されたい、周りから認められたいといったモチベーションで写真を撮るカメラマンになっていました。

そのことに気づいた私は改めて原点である「写真を通して人に幸せにすること」をしたいと思い、その学生団体を卒業することにしました。

■幸せの連鎖が世界を良くすると信じ、Lovegraph創業。

元々社会学部でマスコミやジャーナリズムといったことを学んでいたので学生団体を卒業してからしばらく、実は戦場カメラマンになろうと考えていました。

戦場カメラマンになって世界の悲惨な現実を伝えることで戦争が無くなればいいと思っていました。しかし実際に戦場の写真を撮ったとして、人の”気持ち”は変えることができても人の”行動”は変えることができないのではないかと思うようになりました。具体的には戦場の写真を見て悲しい気持ちにすることはできても実際に明日から戦争を止めようと行動まで結びつけるのは難しいと思ったということです。


どうすれば世界中の人を幸せにできるかと考えた時に、写真を撮ってあげて目の前の幸せを再確認してもらうことができたなら、撮影した人を幸せにできるのではないか。

撮られた人だけでなく「幸せ」という切り口で撮影された写真を見た人たちの気持ちも優しいものにすることができたなら、その人たちも周りの人に優しくすることができるのではないか。その優しさの連鎖は結果、世界を平和にしていくんじゃないかと思いました。

そこでたどり着いたのが「Love」というテーマです。

これだけいろんな価値観を持った人が地球上でたくさん暮らしている中、このテーマだけは世界共通で素晴らしいものだと言えると考えたからです。


Loveをテーマに写真を撮ろうという考えに辿り着いたのが20歳の頃だったので身近なカップルから撮影しようと思い、Twitterで「これからカップルを撮っていきたい」とつぶやいてみたところ、元々知り合いだった宮村というカメラマンから楽しそうだから一緒にやろうよと、その様子をTwitterで見ていたWebデザイナーだった村田からWebサイトにした方が写真見やすいから私作るよという話を持ちかけてもらいLovegraphは始まりました。

まさかこの頃は自分が後に会社を経営することになるなんて夢にも思っていませんでした。

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#創業時、カフェで3人で打ち合わせした頃の写真

友人のカップル数組に声をかけて撮影させてもらい、ある程度写真が溜まってきた頃に村田が作ってくれたWebサイトに写真をアップして2014年1月4日に「カップルフォトサイトLovegraph」をオープンしました。

WebサイトはSNSを中心に多くの反響があり一晩で3万PVものアクセスがありました。当時から勢いのあったキュレーションメディアMERYに取り上げていただいたり、新規事業としてカップル向けのアプリを作成していたリクルートホールディングスから代官山蔦屋書店で写真展を開催しないかと、創業期から有り難い話をたくさんいただきました。

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#初めて撮影したカップル写真
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#Lovegraphリリース時のWebサイト
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#創業期に開催した代官山蔦屋書店での写真展ポスター

いろんなタイアップのお話などもあり、SNSを中心に名前が知られるようになって、全国のカップルからLovegraphに撮影依頼が届くようになりました。当時僕以外の二人は就職活動で忙しかったので全国からいただいた依頼に応えるべく、大阪から東京や山梨、福井や福岡など全国を飛び回るような生活をしていました。


しかし僕が実際に撮影に行ってしまうと撮影料の他にお客さんに負担していただく交通費が結構かかってしまいます。当時は撮影料が5000円くらいだったのですが交通費が3万円かかっていたりして、結局お客さんは3万5000円払って頼んでいるといった状況でした。

僕が撮りたいという気持ちもあったのですが、さすがに若いお客さんが多い中そのお金は勿体無いと思い、現地のカメラマンが現地のカップルを撮影できる体制を作るべく、WebサイトやSNSで全国のカメラマンに募集をかけました。


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#大阪から山梨県まで撮影した頃の写真

話題性もあって順調にカメラマンが全国に揃ってくると、自分で撮影に行かなくても全国からの撮影依頼に応えれる基盤が整ってきました。

なのでもっと多くの人のためにLovegaphを知ってもらうための取組や、カメラマンの働きやすい環境を作るため2015年2月12日にLovegraphを法人化して株式会社ラブグラフとしました。Webサイトをオープンしてから1年ほど経った日のことです。

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#会社設立時のfacebook投稿

■「会社になった」Lovegraphの苦悩

会社にしたはいいものの僕含め、創業メンバー全員がこれ一本で暮らしていこうとは考えていませんでした。現に僕以外の共同創業者は二人は一個上の学年で既にリクルートへの内定をもらっていたので特に引き止める理由もなく、二人とも大学卒業後はそのままリクルートへと就職していきました。卒業してからやり取りは続けていたものの実質Lovegraphを運営するのは自分一人となってしまいました。


僕が1人になってからも、法人化したこともありテレビの取材や企業とのタイアップなどたくさんのお話をいただいていて、とても僕1人で対応できるような状況ではありませんでした。そこで就職してしまった二人をLovegraphに戻すことを決断したのですが、元々会社を経営するために集まったメンバーではなかったので全員が全員会社として経営していく上で必要なスキルを持ち合わせていたかというとそういうわけではありませんでした。

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#初めてテレビに出たときの写真


大企業を辞めてもらうということは、きちんと生きていけるだけの給料も払わなければならないとなった時に、二人ともをラブグラフに戻すという決断はできませんでした。

結局、村田にはリクルートを卒業してラブグラフに戻ってもらい、宮村にはラブグラフから退職してもらうことになりました。二人とも呼び戻したり、いっそのこと二人とも退職してもらうのなら気持ちも楽だったのですが、二人共先輩という関係の中、1人を戻して1人に退職してもらうという決断はかなり心が参りました。


僕にとって「好きなことを仕事にする」ということは「人の人生を変える」ということと同義でした。村田にリクルートから退職してもらうために浜松町のデニーズで話し合いをした時、このことを強く思ったのを覚えています。まだ21歳の学生でこれからどうなるかもわからない自分に付いてきてくれた村田には本当に感謝しています。



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#村田がリクルートを卒業し東京で二人で働いていた時期の写真

そこから3年近く経ち、渋谷のテーブル1席で始まったラブグラフも今では中目黒に自社オフィスを構え、20名を超えるたくさんの仲間が集まってくれました。

みんな僕よりも優秀で今までの誰か1人でも欠けたら今のラブグラフは存在しないだろうと思います。ラブグラフの信じる未来を信じて集まってくれた仲間の期待に応えるためにも、ディズニーランドのように世界中で愛されるサービスを本気で作っていきたいと思います。


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#初めて働いた渋谷にあるコワーキングスペースのテーブル

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#移転した中目黒新オフィス

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#2017年9月時点での集合写真

■「幸せな瞬間を、もっと世界に。」

初めてカップルを撮りだしてから4年が経つのですが、創業期からずっと撮影し続けているお客さんがいます。

初めて撮影したときは新婚の時、その次は妊娠した時、その次は子供が生まれた時、、と今まで5回撮影しています。そのお客さんを撮り続けて想い出を残すということの本当に価値に気づきました。

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#初めての撮影。新婚の時の写真。

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#二回目の撮影。妊娠期間中のマタニティフォト。

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#三回目の撮影。お腹にいた赤ちゃんが生まれてすぐの写真。

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#四回目の撮影。自分で歩けるようになった頃の写真。

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#五回目の撮影。すっかり言葉も話すようになった頃の写真。



これからの世の中、技術が発展していろんなものの価値がなくなっていくんじゃないかなと考えています。iPhoneだって新しい機種が出れば古いものの価値はどんどん下がっていきます。

ただそんないろんなものの価値がなくなっていく世の中で唯一、時間が経てば経つほど価値が上がっていくものが「想い出」なのだとこの家族を撮影して思いました。

今日撮った写真を明日見返すよりも、今日撮った写真を10年後、見返したほうがずっと価値が上がっていく。想い出は積み重なれば積み重なる程尊いものになっていくのです。この価値観はこれからどんなことがあっても変わることのない本質的な価値観だと信じています。


ラブグラフはこれからもカップルだけでなく夫婦や家族。日本だけでなく世界中の人の想い出を残すことによって、本当の幸せを世界に伝えていきます。


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#2015年8月1日にビジョンが決定。日光にある「はじめの一歩」という合宿所にて。


ラブグラフでは現在カップルだけでなく、夫婦や家族、友達同士など人と人の繋がりを想い出に残す出張撮影サービスを運営しています。今の自分たちは今の自分たちにしか残せません。きっと今日撮った写真が宝物になる日が来るので、そのお手伝いを僕たちにさせてください。


二人だけでは残せない、二人だけの想い出を。
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